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枯れた町
岬に咲く風鈴が 月夜に震えてた
「こんなに上弦の月が映える夜は見たことがない」と
かつて彼が居たのは枯れた町 雪だけが音を立てる
​上にはすっかりしわがれた 空に根を張った紅葉

大事な人が死んでしまって 何もかも死んでしまって
​傷だらけのCD 繰り返しかけ続けた部屋


僕が馬鹿にしていた〝天国″とやらはあったのでしょうか
この町の事はすっかり忘れてしまえましたか
できれば何も思い出せずに 幸せになってください
みんなの悲鳴も 僕の事も 思い出さないで

​そんな風に揺れていた 白い塔の下で
季節外れの蛍が川の上を泳いでいる
いつかの雪の降る町を思い出してた
微かに蘇る温かさ ざらついた悲鳴と空の紅葉
それと大事な誰かと

​思い出たちが死んでしまって あの心さえ死んでしまって
あぁ、これはきっと悪い夢 そうでしょう?ねぇ

あなたが馬鹿にしていた〝天国″とやらはどこなのでしょうか
あの優しい街はすっかり 枯れてしまっているでしょうね
私は 誰のものか知らない記憶を掘り起こしてばかりいます
​あなたの顔も あのご飯も 希望も
​どんな風があなたを揺らすのでしょう
何もかもが死んでしまった この町も死んでしまった
僕はもう枯れてしまった 僅かに残っていたのは
未だに枯れない愛と 何処までも無垢な月と あの笑顔だけ
頬を伝った

僕が馬鹿にしていた天国とやらはあったのでしょうか
この町のことはすっかり忘れてしまいましたか
できれば僕の事を覚えていてくれませんか

白い雲と柔らかな風 15時の微睡み
そんなものだけを抱えて
それだけでいいよ それだけでいいよ

 
手の甲を濡らして私はペンを置いた
真夜中 川沿いのカフェへ足を運ぶ
月の良く見える席に誰か座っていた
​「あの町と同じだ」と呟くあなたに
涙が出るほどの愛を観ました
​作詞・作曲 白ペン
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